<aside> 🗒️ 【ダイジェスト】
美的判断でよく使われる形容詞を考える。
美的用語は本質的に限定的な形容詞だとする派:Scruton (1979)の見解
それがどんな種のものなのか知ることなく、どうにかして、抽象的な仕方でものの美しさを判断できるという誤った考え。そんなのは、石か彫刻か箱か果物か、動物かも定かではないなにかを差し出し、それがなんであるかを知られる前に、美しいかどうかを教えてもらおうとするようなものだ。一般的に、ある対象に対する美しさの感覚は、つねにその対象の理解[conception]に依存していると言っていいだろう。
これは、〈美しい〉の判断がつねに論理的に限定的だという主張に読める。(限定用法でしか使えない、本質的に限定的な形容詞)
しかし、これでは美的判断の少なくとも一部は限定用法だと言えるに過ぎない。
【つねに限定用法派への反論】美的判断が述定的にできることを示す例がある。
【譲歩】確かに、〈美しい〉などの基準を定める名詞もある。
【限定的にならない名詞グループ1】名詞として踏まえている感じにならないので、美的形容詞が述定的に使用できるケース。
Ellsworth Kelly, High Yellow, 1960.